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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ




下校中らしき彼女を見て
イザナは咄嗟に近くにあった服屋の店先に置かれているマネキンの陰に隠れた

幸いレイナには気付かれなかったようで
賑やかに話をしながら前を通り過ぎて行く





彼女の姿を見たのは
卒業式の日以来だった


クラスは変わっても、まだ小学生の頃は
学校や施設の近所でバッタリ会うことがあった

けれど
イザナの存在に気が付くと
いつも悲しそうに俯いてしまう

約束を破った自分を、きっと怒っているのだろうと思うと
今さら声を掛ける勇気は出なかった



あの日以来
イザナはレイナと一度も関わりを持つ事なく
そのまま小学校を卒業した


彼女が進んだ私立の中学は、電車でひと駅の所にあり
部活の朝練に出ているらしいレイナの朝は早かった

門限などお構いなしに夜遊びを始めたイザナとは生活のサイクルが全く違うからか
2人が会うことは無くなってしまった


そして今
久しぶりに姿を見たレイナは
違う学校の制服を着て歩いている



「……」


やめた方がいいと思いながらも
イザナは彼女の後をつけた


隣にいる友人からしきりに何かを話し掛けられ
笑顔で返事をしているレイナは
すぐ後ろにいるイザナのことなどまるで気にもとめていないようだった


記憶の中よりも背が伸び
友達と話をする時の表情も、ずっと大人っぽくなっている彼女を見て
イザナは、レイナが遠い場所へ行ってしまったような気がした




その時
すぐ横の路地から見覚えのあるヤンキーが飛び出してきた

すっかり忘れていたが
さっきまでイザナが追いかけていた奴だった


「ぅわああっ‼︎まだ居やがった‼︎」


大声を出して商店街を逃げていく
その声に振り返ったレイナが、イザナの存在に気が付いた


『………ぇ………黒…川クン…?』

「……ぁ…」


これ以上に気まずいことも
中々ないだろう

油断して近距離で後をつけたことを
イザナは今さら後悔した










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