第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
ハイウエストのボンタンに
リーゼント
真一郎から教わったコテコテのヤンキーファッションに身を包み
イザナは中華街の辺りをよくブラついた
活気のある路地を歩いていると
顔見知りの店員が声を掛けてきたりして
ひとりでいることを忘れられる
雑多な人々が暮らすこの街の雰囲気が
イザナは好きだった
目立つ格好をしていると
しょっ中、悪そうな奴らが絡んできた
そんな時
イザナは中でも1番強そうな相手に目を付け
容赦なく叩きのめした
失うモノのないイザナの攻撃には
" これ以上やったらヤバい " という歯止めが無い
命の危険を感じた相手は
なりふり構わず土下座をして謝りたおしてきた
仲間うちで最強のヤツが泣きながら謝っている姿を見て
周りの人間は恐れをなして逃げていく
そうやってイザナは
次第に名を上げていった
そんな
ある日の夕方
ケンカの途中で逃げ出した相手を追いかけて
イザナは中華街と元町を隔てる川にかかっている橋を渡った
油と香辛料の匂いがこびり付いた中華街とは違って
元町側はどことなく小綺麗な店が多い
ブランドショップや宝石店が立ち並ぶ、石畳の商店街を歩きながら
見失ってしまった喧嘩相手を探していたイザナは
前から来る制服姿の女のグループに気が付いて
ふと、足を止めた
山の手にある
有名な私立の女子中学校の制服を着たその集団の中に
" 織月 レイナ " の姿があった