第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
・
・
・
ずっと孤独だったイザナの心に
歪んだ嫉妬心が棲みついているのを
真一郎は感じ取っていた
それは
初めてイザナに会いに施設へ行った日から度々送られてくる手紙にも、露骨にあらわれていた
ハガキ一面をビッシリと埋め尽くすように
小さな文字で綴られた言葉のひとつひとつが
自分を兄として慕う気持ちで溢れていた
幼い頃から愛情に飢えていたであろう彼の
その強い想いからは
自分達2人以外の人間の存在を受け入れられる余裕は
まだ、感じられなかった
" オレに対する信頼が、執着に勝った時…イザナを自宅に連れていこう "
真一郎はそんな風に考え
焦らずにその時を待つことにした
(…いつかきっと…みんなで笑って暮らせる時が来る…)
その日を楽しみに
真一郎はイザナとの交流を深め続けた
・
・
・