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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第14章 東京卍リベンジャーズ・九井一





花屋で薔薇の花束を買った後
九井は歩いて彼女のマンションへ向かった


吐く息が
白く立ちこめる

耳が痛くなるほど寒かったけれど
心の中はポカポカと温かかった




大通りからマンションに続く横道へ入ると
急に人の気配が無くなった


ボンヤリと街灯が照らす道を
ひとり歩きながら呟く


「………クリスマス、か…」












静かな夜の中

俺はまたアイツのことを思った







イヌピー…



俺、気持ちを言葉にするのは
大切なことだってやっと分かった


あんなに長い間一緒に居たのに

俺達は
伝えたいことの半分も上手く言えなかったな



性格も趣味も全然違うのに

そんな所ばっかり似てたっけ





ずっと意地を張って
素直になれなかったけど



俺、さ

燃えている家に飛び込んだあの時
赤音さんの事しか頭に無かった


その事を
後から冷静になって考えるほど恐ろしくなったんだ




真っ先に
赤音さんを助けようとした


無意識のうちに
お前よりも赤音さんを選んでいた自分のことが

怖くて
認めたくなかった





本当は俺
心のどこかでお前に負い目を感じていたのかも知れない


その償いを
ずっとしたかったのかも知れない









でも
お前はきっと

そんな事
何にも気にしてないんだろうな




だから

俺のことを側に置いてくれてたんだよな







今なら分かるよ




本当に


ありがとな


















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