• テキストサイズ

裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第14章 東京卍リベンジャーズ・九井一





服越しに伝わる温もりが
彼女は本当に無事だったのだと九井に実感させた


『…大丈夫?……体…震えてるよ…』

「………あぁ………オマエとこうしてると……あったかい…」


彼女の存在をもっと感じたくて
強く抱きしめ返すと
腕の中でレイナが言った


『……ウン………あったかいね…』








後の対応は自分がやるから先に帰れと三途に言われ
九井はレイナを連れて車へと戻った


マンションへ向かう間、眉間にシワを寄せて黙り込んでいた九井だったが
彼女の部屋に入りドアが閉まった途端
重々しい声で言った


「…やっぱり……こんな事になるんだな…」

『……ぇ…?』

「……レイナ……オマエを失いたくない…………でも……オレから大切な人に手を伸ばすと……いつも…その人とは一緒に居られなくなるんだ…」

『……』

「………だ…からさ……今朝の…」

『…今朝の話は…無かったことにしたいなんて……言わないよね?』

「……」

『……大丈夫……私は…どこにも行かないよ……何があっても…絶対にアナタの側にいる……約束するから…』

「………でも……今日だって…あんな事に…」

『…あれは勘違いで…私自身は怪我ひとつしてないじゃない……これからだって何も起こらないよ……だから安心して…』

「…でも…これまでに何度占っても…」

『占いなんて信じない!』

「…っ…」

『………ねぇ………そんなものと私……アナタは…どっちを信じたいの…?』




その時
九井の頭の中に古い記憶がよみがえった


(……その言葉………アイツもよく言ってたな…)


占いの結果を一切信じず
何にも忠告を聞かなかったイヌピーの顔が浮かんで
九井は思わず吹き出した


「…………フッ……ハハ…」

『……?…』

「…だな。…" 占いなんか、クソくらえ " だ…」


吐き捨てるような口調を真似してみると
勇気が湧いてきた


(……そうだ………オレが信じたいのは……)



九井は
目の前に居るたったひとりの愛しい人を
大切に腕の中に包んだ









/ 655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp