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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第14章 東京卍リベンジャーズ・九井一




九井が振り返ると
ゴウゴウと炎を吹き上げて燃えている店が見えた


「……っ…レイナ…」


黄色いロープを超え
入り口の方へ走っていく


「危ないから離れてください!」


消防士の声も
九井の耳には届かなかった


「…レイナ!」


もうもうと煙を吹き出している入り口に飛び込もうとした時
強く腕を掴まれた


「何やってんだよ‼︎」

「離せ三途!まだ中にレイナが居るんだよ‼︎」

「は⁇バカ言ってんじゃねぇ!テメーも死んじまうぞ‼︎」

「いいから離せ!離せよ‼︎」


必死に腕を振りほどこうとしたが
力では三途に敵わず
九井は羽交い締めにされ、規制線の外へと引きずり出された


その時
入り口から消防士達が走り出て来るのが見え
直後にガラガラと大きな音が聞こえて建物が崩れた


「……嘘…だろ…」


空高く舞い上がる火の粉を見て愕然とした九井は
その場にへたり込んでしまった








アスファルトに両手をついて
放心したように俯いていると

視界の隅に真っ赤なハイヒールの先が映った


赤いドレスの裾からゆっくりと視線を上げていくと
そこには
心配そうな顔で自分を見下ろしているレイナの姿があった


「………レイナ…?……………レイナっ‼︎」


九井は弾かれたように立ち上がると
レイナを強く抱きしめた


「……無事だったのか……どこに居たんだよ…」

『さっきの場所に…皆と一緒に居たよ……声掛けようと思ったら突然走って行っちゃって……びっくりした…』

「…だって……アイツらがレイナは居ないって…」

『……レイナは私の本名でしょ⁇…同じ源氏名の子がお店に居るの……その子…今日はお休みだったみたい…』

「……………はぁ⁇……なんだよソレ……そんなん聞いてねーし…」

『…もぉ……だからって慌て過ぎだよ……燃えてるお店に飛び込もうとするなんて…』

「……だって……レイナが中に居るかもって………オマエのこと失うと思ったら……オレ…」

『………っ…馬鹿‼︎』


涙を浮かべてそう言うと
レイナは九井を抱きしめた










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