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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第14章 東京卍リベンジャーズ・九井一





(……そうじゃない…)


彼女はひどい勘違いをしている

誤解を解こうと思ったけれど
自分の気持ちを隠したままでは
何と説明したらいいのか分からなかった


腕の中のレイナが
震える声で言う


『……アナタが…もっとズルい人なら良かった………気持ちなんか無いまま私のこと抱いて……すぐに捨てて欲しかった…………そしたら…アナタを嫌いになって……こんな苦しい思い…しなくて済んだのに…』

「……」

『………アナタの事……嫌いになれたら良かった…』


涙まじりの掠れた声に
胸が締め付けられた


『……でも……好きなの…………その目に映ってるのが…私じゃなくても…………私はアナタが好き…』

「……っ…」


レイナは
小さな手で縋るようにシャツを掴むと
涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げた


『……苦しいよ…』


その言葉で
九井は我に返った


(………" 間違いは繰り返さない " ?………目の前に居るコイツの事…こんなに泣かせて………オレは一体何をやってる…)


九井は身体を離すと
濡れた頬に手を添え、上を向かせた


「……信じてくれ……レイナがそんな風に思ってるなんて…知らなかったんだ…」


溢れ出す涙を指先で拭うと
彼女の唇にそっと口付けた


「……誤解させて………傷付けて……ゴメンな…」


驚いて動けなくなってしまったレイナの目を見つめたまま
九井は言葉を続けた


「……オレ……オマエと居ると…すごく安心するんだ…………これまで…カッコ付けて強がってた事とか……意地張ってきた事とか………全部…どうでも良くなるんだよ…………そんな風に思えたのは…レイナが初めてだ……………あの人に似てるからなんかじゃない………こんな気持ちになったのは……オマエひとりだけだ…」

『……』

「………こんな風に……自分の気持ち…伝えることが怖かったんだ………大切な人が…また手の届かない所に行っちまうような気がして……………でも……伝えたい相手が側にいるうちに…ちゃんと気持ちを伝えないと……絶対後悔する…」


九井は
レイナの瞳を真っ直ぐに見つめて言った


「……レイナ……オレは…オマエが好きだ…」








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