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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第14章 東京卍リベンジャーズ・九井一




その時
ふと思い立った九井は
ジャケットを拾い上げて財布を取り出した


「……コレ……取っといてくれ…」


ベッドサイドのテーブルへ札束を置いた瞬間
レイナがソファから立ち上がった


『…ねぇ…』

「…?」

『……また殴られたい?』


彼女の瞳は冷ややかで
どこか哀しげだった


「…いいから取っとけよ……邪魔になるモンじゃねぇだろ…」

『……』


レイナは乱暴に金を掴み、九井の手に押し付ける


『帰って』

「……っ…」

『…アナタ本当に何なの⁈早く出てってよ!』


そう言って
強い力で九井をベッドから立ち上がらせると、玄関の方へ身体を押す


『…私のことまだお金目当てだと思ってるわけ⁇人をバカにするのもいい加減にして!』

「……ち、違うって……昨日迷惑かけたから…その詫びのつもりで…」


その言葉に
彼女は力を緩めた


『…っ……本当?……ホントにそれだけなの?』

「…それだけに決まってんだろ……金で動く女じゃないって…あんだけ言われたんだから…忘れる訳ねぇっつの…」

『……』

「……」

『………だったら…今回だけは許す………でも、もう帰って…』

「……………分かったよ…」




玄関まで戻ったところで
九井は立ち止まり、レイナに言った


「……また…来ていいか?」

『はぁ⁇本気で言ってる⁇…これでも私、怒鳴り散らしたいの必死で我慢してるんだけど』

「…怒鳴りたきゃ怒鳴ったっていい…だから頼むよ…」

『…っ…何でそんなに私にこだわるの⁈…梵天幹部ともあろう男が、一緒に寝てくれる女も居ないワケ⁇』


苛立たしさを隠しもしない彼女を前にして
九井は戸惑いながら伝えた


「…そうじゃ、なくて…」

『…?』

「……多分…それじゃダメなんだ…」

『…っ…ダメって何が…』

「……だから……他の女じゃダメなんだよ…」



口に出してはじめて
九井は自覚した



(……そう……この女の隣じゃないとダメなんだ…)






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