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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第14章 東京卍リベンジャーズ・九井一




その日
夜中に事務所を出た九井は
部下に送らせて先日の女のマンションを訪ねた

エントランスで部屋番号を押すと
しばらくして、明らかに不機嫌そうな声が聞こえた


『……こんな時間に…何?』

「…少しでいい……眠らせてくれ…」

『……は?……何言ってんの…』

「…この前…いつでも来いって言ったろ…」

『…………ハァ………待って…いま開ける…』


自動ドアを通り
エレベーターで女の部屋がある階まで上がる

壁のチャイムに指を伸ばした時、カチャリとドアが開いた


『……どうしたのよ一体…』


九井は返事をせずに
靴を脱いでズカズカと部屋の中へ入っていく


『…ちょっと!』


ジャケットを床に脱ぎ捨てると
そのままベッドに倒れ込んだ



ベッドの横で
女は呆れたように腰に手をあてて言った


『……人が寝てるとこいきなり押し掛けてきたんだから…説明くらいしなさいよ…』


眉間に皺を寄せ、目元を手の甲で覆ったまま
九井は答えた


「……ここに泊まった時みたいに…もう一度眠ろうと意識し始めたら……逆に眠れなくなった…」

『…はぁ?』

「……もういいだろ……電気消せよ…眩しい…」

『……』


女は言われた通り
リモコンで天井の照明を消す


『………ハァ………これで満足?』

「……………………………………何してんだよ…」

『…何って?』

「………早く…隣に来い…」

『…っ…』


九井の言葉に
女は少し面食らったような顔をしたが
すぐにフッと微笑んだ



身に付けていたガウンを脱ぎ
裸でベッドに潜り込む


『……フフ………アナタみたいに捻くれた人…初めて…』


何も言わない九井に身体を寄せ
頬にキスする


『……私が欲しくなったなら正直にそう言えばいい…の……に…』


ベッドに両手をつき、覆い被さるように顔を近付けると
微かな寝息が聞こえてきた


『…………はぁ⁇』







スゥスゥと呼吸を繰り返す寝顔を
女は静かに見下ろした


『………………ほんっとに…失礼な男……』


スッと尖った鼻先を摘むと
嫌そうに眉を寄せる


『……………フッ……』


女は九井の唇に軽くキスすると
背を向けるようにベッドに横たわり
膝を抱えて丸くなった


『………あーあ……………私も…よく眠れそう…』






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