第14章 東京卍リベンジャーズ・九井一
翌週
事務所で蘭と竜胆にスパの感想を聞かれた
「…朝まで一睡も出来なかった」
「……は?…マジで⁇」
「…えー…アレで眠れない奴いるんだぁ…」
「……あぁ…リラックス系はオレにはどうも効果ねぇみてーだ…」
「…だなぁ…」
「やっぱオレと一緒に泳げば良かったんじゃない?」
「…んー……でも…身体動かすのもあんまり関係ない気がするんだ…」
「…確かに……仕事で動いてっからずっと疲れも溜まりっぱなしだしなぁ……竜胆みたいな体力オバケならともかく」
「は?ひでぇな。そういう兄貴は睡眠オバケだろーが」
その時、明司が3人の近くを通りかかったので
蘭が興味本位で " よく眠れる方法 " を聞いてみた
「女」
明司はひと言そう答えると
急いでいるのかそのまま事務所から出て行ってしまった
「……だってよ…」
「性欲のデトックスってトコだな…」
「…うわ……兄貴、何そのオッサンくさい言い方…」
「モッチーの真似してみた」
「えー…モッチーそんなこと言わなくない?」
「…そーか?…でもまぁ、女ってのは確かに正解に近いかもな…」
「…ウン……目一杯癒やしてくれて、コッチの気が済んだらいつの間にか帰っててくれると最高だワ」
「ココ、女だったらいくらでも相手居るだろ?…それとも後腐れ無いヤツ何人か紹介してやろーか?」
「…いや、大丈夫」
「んじゃ、今夜は一発抜いていい夢見ろよ♪」
「…もーヤメテ兄貴……モッチーのおじいちゃんだってそんなこと言わないから!」
2人は楽しそうにワイワイ言いながら事務所を出て行った
静かになった室内で、PCの前へ座った九井は
週末の間に溜まった仕事に取り掛かった
数分後
カタカタというキーボードの音が不意に止まって
九井の口から無意識に言葉が漏れた
「………女……」