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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第14章 東京卍リベンジャーズ・九井一





まだ乾ききっていない髪を緩くまとめ
素肌の上にシルク地のナイトガウンを纏った女は

ソファの方へ真っ直ぐに歩いて来ると
九井の膝の上に跨るように座った





近くで見る素顔は
あどけなさすら感じさせた

少女のように美しく澄んだ瞳でジッと見つめたまま
口元だけで妖しく微笑む


『……どうしたの?……こんなもので遊んで…』


スノードームを取り上げ、テーブルの上に戻した後
瞳を覗き込むように顔を近付けてくる


『…噂には聞いてたけど……ホントにいい男…』


そう言うと
女は九井の薄い唇に舌先を這わせた





頬に手を添えて口を開けさせ
隙間から濡れた舌を差し込んでゆっくりと蠢かせる

ピチャピチャと水音が響く中
九井はただ女のキスを受け止めていた


彼女の行為に何の感情も湧いてこない

それは
いつものことだった




梵天幹部という立場上
これまで数え切れないほどの女が擦り寄ってきた


(…金に群がるあさましい女狐共…)


そんな風に軽蔑の目で見ていた九井は
彼女たちに対して性欲を感じたことが無かった



(…あの人以外の女なんて…皆同じだ…)


裸同然で跨られ、舌を絡め合っていても
心の中は冷めきっている

嫌悪感を感じていないだけこの日は幾分マシだった





女の指先が九井の股間に伸び
包むように触れる


『……』


そっと唇を離した女の目を見て
九井は言った


「悪ィな。アンタじゃ立たねぇワ」


感情の無い冷たい声に
女の口元から笑みが消えた


『…あっそ』


女はそう言うと
九井から身体を離し
ソファにドサッと腰を下ろした



テーブルの上のタバコに手を伸ばし
ライターで火をつけると『付き合ってる女でもいるの?』と聞く


「……」


九井が何も答えないでいると
『……実らぬ恋ってトコ?』と笑った








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