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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第14章 東京卍リベンジャーズ・九井一




大寿が金の力を欲していると察した九井は
乾が再びいいように利用され
挙句、年少にまで行く羽目にならないよう
自分も黒龍に加入し、側で守っていくことを決意したのだった



それからの2人は
ずっと一緒に過ごした

佐野真一郎のバイクショップがあった場所をアジトに
寝起きを共にして
九井は乾のことを支え続けた



" 聖夜決戦 " で大寿がマイキーに敗北した後
十一代目黒龍総長に花垣武道を指名した乾は、東卍の傘下に降る道を選び、九井ももちろん同じ道へと進んだ


けれど
天竺というデカいチームが東卍の前に立ちはだかった時

力の差を冷静に分析した九井は
天竺が勝つと判断し
謀反を起こした武藤に拉致されたのをきっかけに
敢えて流れに身を任せた


天竺に入ってからは
駆け引きを使って自身の地位を築き
乾のポストも用意して、チームに迎え入れる準備を整えた


そして迎えた " 関東事変 "

その抗争が
九井と乾の仲を決定的に引き裂いた



「オマエを迎えにきた」と言った乾を
九井は「賢くなれ」と説得し、天竺に引き入れようとした


「東卍は金になんねぇ」


そう言った九井に向けられた乾の瞳は
とても悲しそうだった


「金なんてもう要らねぇだろ?…テメェ…いつまで赤音にこだわってんだよ⁉︎」


乾の口からその言葉を聞いた時

九井の中で
何かが切れた


自分自身でさえもまだ受け止めきれていなかった本心を、乾に見透かされていたと認めたくなくて
九井は必死に違う言い訳を考えた



(…何もこだわってなんかいない……赤音さんはもう死んだんだ……そんな事はちゃんと分かってる………オレがこうしてるのは…ただ金を稼ぐ為……それだけだ…)



" …でも……何のために金を稼いでいるんだ… "


そんな大きな疑問が
頭に浮かんでくる



(……金は力だ……オレに力があれば…イヌピーを助ける事だってできる……今までだって…そうやって利用されてきてやっただろ…)



九井は
自問自答を続けた



(……だとしても……なんでオレはイヌピーの助けになりたいんだろう… )




幼馴染だから?


大好きだった赤音さんの弟だから?


イヌピーには自分が必要なんだと思って欲しいから?自己満足のため?



どれも合っているようで
どこか違うような気がした






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