• テキストサイズ

裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第14章 東京卍リベンジャーズ・九井一





1時間後
九井は女のマンションに居た


ぼんやりと間接照明が灯る
15畳ほどのワンルーム

マオカラーのジャケットを脱いでソファに座り
ローテーブルの上にあったスノードームを手の中で転がす

ガラス玉の中にくるくると雪が舞って
中央のクリスマスツリーの上に降り積もっていく



(……そういえば……もう12月なんだな……)



この時期になると
いつも以上にアイツの事を思い出してしまう






" 乾 青宗 "



彼が自分にとってどんな存在なのか

もはや
九井自身にも分からなくなってしまっていた











元々は、同じ年で
仲の良い幼馴染


球技が得意で、勉強が苦手だった乾と
目が悪いため球技よりも水泳などの方が好きで、頭が良かった九井

共通点はあまり無かったのになぜか気が合って
小さい頃からよく一緒に遊んでいた




九井は
乾の5歳上の姉・赤音のことがずっと好きで

小学生のある日、告白をした



「赤音さん!オレ…一生好きだから!大人になったら結婚してください‼︎」

「……ふふ…考えとく」

「一生守る‼︎」

「……約束?」

「うん!約束‼︎」

「…じゃあ大人になるまで待ってるネ」



けれど
その夜の火事が原因で
赤音は重度の火傷を負ってしまった



「……医者と親が話してるの聞いたんだ……赤音…一命はとりとめた…って……でも…赤音の火傷ひどすぎて…ちゃんと治すのに4千万はかかるって…」

「4千万…」

「ウチ…家のローンがまだ残ってたくらいで…払えるワケないっておふくろ泣いてて……もう…どうしたらいいか…」

「……赤音さんと約束したんだ……" 一生守る " って……赤音さんが死んだら…オレ…」



そして
九井は決意した


赤音さんとの約束を

赤音さんを守るために



「4千万…死んでもオレが作ってやる」





その日を境に
乾と九井の関係は変わってしまった







九井は
大金を稼ぐために犯罪行為に手を染めた

4千万という金を手に入れる為に
必死に考えた末の行動だった


けれど
金が集まる前に赤音は亡くなってしまった



最愛の人の死を受け入れられなかった九井は
赤音が死んでしまった後も犯罪から手を引くどころか
むしろ取り憑かれたように金を集め続けた









/ 655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp