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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第14章 東京卍リベンジャーズ・九井一




「……店はもう上がっていい…VIPの客とのアフターを頼む…」


そう言った九井に
女はキッパリと答えた


『その件でしたら、今さっきお返事しました』

「……ママの許可も得てるし…金はもちろん別で払う…」

『お断りします』


女の態度に
九井は眉をひそめた


(…下手な駆け引きのつもりか?…そんなものに付き合っているヒマはない…)


イラつく気持ちを抑えるように
九井は大きなため息をついた


「………ハァ………幾らだ…?……言い値を出すから早く言え」

『しつこいわね。…そういう話じゃないって言ってるの』


梵天幹部の九井に
そのような口を聞いた女は初めてだった


「……っ…」

「…オイ!誰に向かって…」


横から口を出した部下の男を
九井は片手で制した


普段よほどチヤホヤされてつけ上がっているのだろうか

それにしても
この店で働いていれば九井の事を知らないはずはなかった


(…自分の立場も分からないバカ女が…)


気の強そうな瞳を冷たく見下ろして
九井は言った


「…勿体ぶるなよ……どうせ身体売って金稼いで来たんだろ…」

(……女なんてみんな汚れてるんだ……あの人以外の女は…)



次の瞬間
パシッという乾いた音が廊下に響いて
九井は左の頬に鋭い痛みを感じた



「ぶっ殺すぞこのアマ!」


部下の男は慌てて女の腕を掴み、強く捻り上げた


『ちょっと何するのよ!離して!』


頬の痛みを感じながら
九井は静かな声で言った


「……………離してやれ…」

「……ハイ…」


部下が少し意外そうな顔で掴んでいた女の腕を離すと
女は九井を睨みつけた


『……もちろんお金は大事です………でも……私はこの仕事にプライドを持ってるつもりです………だからそういう事はしない…』


女はそう言うと
プイと背を向け、廊下を歩き去って行った


「………フン…」





九井は部下に指示し
店のナンバーワンの女を呼んで来させた


けれど
違う女をあてがわれたVIPはヘソを曲げ
「さっきの話はやっぱり少し考えさせて欲しい」と言って帰ってしまった






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