第13章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②(続編)
昨夜
行為の後
『何か部屋着を貸して欲しい』と言った彼女のために
上半身裸のままクローゼットを漁って
取り出したTシャツと短パンを手にベッドの方へ振り返ると
ひきつった顔をしたレイナが俺を呼んだ
『………圭、介……』
「ん?」
『……………その…傷…』
「……ぁ…」
その時、初めて
レイナにまだ話さなければならない大切な話があるのを思い出した
この傷がついた時の事
自分にはもう見慣れすぎていて、伝えるのをすっかり忘れてしまっていたけれど
彼女には
やっぱり正直に言わなければならないだろう
「……ゴメン……ワザと黙ってた訳じゃねーんだ………昔の話だし…何かもう自分の身体に傷があんのが当たり前みたいな感覚になっちまってて…」
Tシャツに袖を通したレイナに向かい合うように座って
俺は頭を下げた
「…………あんな事した後で…こんな話するなんて……スゲーずりぃな……………本当に…ゴメン……………でも…オマエに隠し事はしたくないから……ちゃんと聞いて欲しい…」
『……』
「……………俺……死のうとしたことがあるんだ…」
青ざめたまま声も出せないでいるレイナに
俺は
背中の傷がついた経緯を説明し
次に
腹の方の傷の話をした
全てを聞いた後
突然ポロポロと涙を流しはじめた彼女は
何度も『馬鹿』と言いながら俺の胸を叩いた
泣きじゃくるレイナを抱きしめ
宥めるように背中をさすりながら
俺はただ
謝ることしかできなかった
どれくらい
そうしていただろう
涙がおさまった彼女は
不意に『顔を洗ってくる』と言って離れていった
狭いバスルームの方から聞こえてくる水の音を
俺はベッドの上であぐらをかいたまま聞いていた
しばらくしてから戻ってきたレイナは
部屋の入り口で立ち止まった
『……』
俯いている彼女が、今にも『帰る』と言い出しそうで
ベッドから立ち上がり側へ近づく
何を言ったらいいのか分からなくて下を向いていると
レイナが震える指を伸ばして
引きつれた皮膚に触れた