第13章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②(続編)
レイナは何かを思い出したようにバッグの中に手を入れると
小さな物を取り出した
『…コレ、覚えてる?』
それは
薄いピンク色をしたイルカのキーホルダーだった
「………オマエ………ずっと、持ってたのか…」
『うん。……圭介にもらった日から…お守りみたいにしてたんだ………私の…宝物…』
彼女の笑顔が
初めて会った頃みたいに自然に俺の心の中に入ってくる
(……この笑顔が……見たかったんだ…)
そんな事を思った時
レイナは突然『……私……そろそろ…終電の時間だから……帰るね…』と言って立ち上がろうとした
「行くな」
" レイナが離れていく "
そう思った瞬間
無意識にその腕を掴んでいた
『……圭…介…?』
「…………レイナ……」
オマエだけが居ない日々を
終わらせたくて
彼女の腕を引き寄せ
包むように抱きしめた
「……頼むから……もう、離れて行かないでくれ…」
あの頃には言えなかった
素直な気持ちを
今
ちゃんと伝えるから
「……オマエさえ良ければ………これからはずっと…オレの隣にいて欲しい…」
腕の中で顔を上げたレイナが
真っ直ぐに見つめ返してくる
『……嬉しい…………会いたかったよ…圭介…』
「………俺も………レイナに会いたかった…」
ひかれ合うように
重なる唇
何度も夢に見た温もりが
いま
確かにこの腕の中にあった
サラサラと柔らかな髪の
懐かしい手触り
指を滑らせていると
彼女の腕が俺の首に絡み付いて
啄むだけだったキスは
深いものへ変わっていく
『……ん…………圭介…』
吐息混じりに名前を呼ばれ
腰の辺りがゾクゾクと疼いた
濡れた舌先を合わせ
絡めとって吸い付く
甘い唾液をもっと味わいたくて
口腔を犯すように舌を深く差し込むと
レイナは軽く眉根を寄せ、くぐもった声を上げた
『……っん…………んぅ……』
チュッと水音を立てて離れ
目の前にいる彼女を改めて見つめる
昔から少し大人びた顔をしていた記憶の中の少女は
数年の間に
美しい女性に成長していた
「……」