第13章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②(続編)
「……あん時は……ありがとな…レイナ…」
『…ううん……私は…何にもしてないよ…』
「そんな事ねーよ……オレ…オマエにはずっと助けられてた…」
『……圭介…』
願掛けを終え、髪を切った夜
俺は離れてから初めてレイナに電話をした
けれど
番号がもう使われていなくて
そのことを伝えると
彼女は携帯が壊れて買い替えた時に、データが全部消えてしまったのだと
本当に申し訳無さそうに謝った
引っ越した後のことから最近の近況に至るまで
ひと通り話が終わった時
レイナはビールをグイッと一口飲むと
何かを決心したような顔で俺の方を向いた
『………私……ずっと…圭介に言いたかったことがあるんだ………最後に会った時には言えなくて……そのままになっちゃって…ゴメン…』
「…?……何だよ…」
『………圭介………私と付き合ってくれてありがと…』
彼女は
俺の目を真っ直ぐに見つめた
『…私……やっぱり…圭介のこと好きになって良かった…』
「……」
『……別れようって言われた時………すごく、辛くてね……………別れることになるなら……最初から付き合ったりしなきゃ良かったのかなって……思ったりしたの…………ただの友達なら……こんなに苦しまなくて済んだのに…って…』
「……」
『……でも……そうじゃないって…後から分かった………圭介のこと好きになって……圭介も…私を好きだって言ってくれて……彼女になれた……………それから私……毎日がすごく嬉しかった…………ただの友達だったら……きっと…そんな気持ちにはなれなかったもん…』
「……」
『…大好きな人と…一緒に帰ったり……色々話したり……バイクの後ろに乗せてくれたことも…全部……大切な思い出…………だから……もう彼女じゃなくなっても……何年経っても………今も……その時の気持ちはずっと忘れてない…………圭介……幸せな時間をくれて…ありがとうね…』
「……レイナ…」
『…いつか圭介に会ったら……この事だけは伝えたいって…思ってたの…』