第13章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②(続編)
一虎と一緒にマイキーに謝りに行ってから
数ヶ月後
ペットショップのバイトを終え、一虎と2人で帰る支度をしていると
ドラケンから「すぐ近くで飲んでるからちょっと顔出せよ」と連絡があった
ひとりで帰ろうとする一虎を「一杯だけ」と説得して店に連れて行くと
通された座敷のテーブルにはドラケンの他にパーちんと三ツ谷、そしてマイキーが居た
戸惑った様子で1番手前の席に座ろうとした一虎を見て
マイキーは「コッチに座れ」と自分の横の座布団を叩く
6人で乾杯をして飲み始めると
マイキーは少し話をしただけですぐに横になり
そのまま眠ってしまった
「……アレ……マイキーもう寝ちまったぞ…」
「…はぁ?……何だよ……場地と一虎呼べって散々騒いでたくせに…」
「……ぇ……そうなのか…?」
ドラケンと三ツ谷の話に
思わず反応してしまう
「おー…マイキーの方から4人で飲み行こうなんて言い出したから、珍しいなと思ってたら……甘い酒ちょっと飲んだだけですぐに真っ赤になって…」
「そーそー。そしたらいきなり " 場地に電話して一虎と一緒に来いって言え " って……んで、ドラケンがバイト終わった頃見計らって連絡したってワケ」
「自分で電話しろっつったら、" 断られたらショックだからヤダ " ってゴネてよぉ…」
クスクス笑うドラケンと三ツ谷を見て固まっている一虎に
パーちんが唐揚げを頬張りながら「特別な日だから、みんなで集まりたかったんだろ」と言う
「……今日って…6月………19…日か…」
ひとり言のように呟き
隣で眠っているマイキーの方を見た一虎の顔が、泣き笑いのように歪んで
俺も鼻の奥がツンと痛くなった
そして
その夜
俺は自宅の洗面台で
自分で髪を切ったのだった
・
・
・
『…………あの頃………色んなことがあったね…』
それから
俺達はポツリポツリと昔の話をした
レイナとの思い出は
決して楽しいことばかりではなかったけれど
どれほどドン底だった時でも
彼女の想いが俺の心の支えになってくれていた事を
改めて思い出した