第13章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②(続編)
店から徒歩5分
借りているマンションへレイナを連れてきた
ソファなんて気の利いた物などない
殺風景な男一人暮らしの部屋
「…飲みモン…何がいい?……って……冷蔵庫…牛乳とビールしかねーや……悪ィ、ちっとコンビニ行ってくっから待ってて…」
『…っ…いいよ、そんな………そしたら私…ビールもらおうかな…』
「お、飲めんのか?」
『…ん…少し、なら…』
「じゃあ…オレも飲むかな…」
ベッドに寄りかかるようにして、ローテーブルの前に並んで座り
色気の無い缶のままで
俺達は乾杯した
「…さっき、ゴメンな……千冬が居酒屋に来いって連絡くれたんだけど……まさかオマエが居るなんて思わなくて………レイナと一緒なら…アイツもそう言えばいーのによぉ…」
『……クスクス……千冬君、圭介のこと驚かそうと思ってたみたい……でも…あの居酒屋の前ですれ違っただけの私に…よく気付いてくれたよ…』
「…だよな……オレ…ウチの店の前でオマエ見た時……一瞬分かんなかったワ」
『えー…そっかぁ………圭介……私のこと…忘れちゃってた?』
「んなワケねーだろ‼︎」
思ったより
大きい声が出てしまった
『……』
「……オマエのこと…忘れたりなんかするかよ……暗かったし……オマエがそんなカチッとした服着てっから…すぐに頭が回んなかっただけだ」
気恥ずかしさを覚えながらもそう言うと
レイナは嬉しそうに『そっか』と微笑んだ
「……」
『……圭介は……髪切ったんだね…』
「あー…少し前にな…」
『…なんか……初めて会った頃みたい…』
「言われてみれば……あの頃も…こんな頭してたな…」
レイナは
懐かしさに苦笑いしている俺の目を見た
『……良かったね……圭介…』
彼女の潤んだ瞳を見た時
俺は願掛けのために長い間髪を伸ばしていたことを思い出した
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