第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
鉄パイプで何度も頭を殴られたマイキーは脳震盪を起こしたのか
その場に膝をついた
それを見た芭流覇羅の連中が
チャンスだと騒ぎ出す
「テメーらついて来い‼︎マイキー潰すぞ‼︎」
動かなくなったマイキーの元に、丁次が仲間を先導しながら走って行くのを見て
足元に落ちていた鉄パイプを拾い、後を追った
それと同時に稀咲が動いたのを
俺は見逃さなかった
奴は山の反対側から
マイキーの方へ近づいていく
「大将首とったぞコラァァ‼︎」
飛びかかった瞬間
稀咲が丁次を殴り、総長を守った形になった
「東京卍會参番隊隊長、稀咲鉄太…大将はウチの隊が責任持って守らせてもらう‼︎」
「へー…やるじゃん稀咲」
「稀咲すげー‼︎」
「いいとこ持ってきやがって…」
「稀咲‼︎よくやった‼︎…マイキーを任せた‼︎」
メンバーから賞賛され
ドラケンにマイキーを託されて
勝ち誇ったような顔をしているヤツの背後へ回り込む
(……そうか……マイキーを助けて東卍から信頼を得ることが…テメェの目的だったんだな……………一虎を…捨て駒扱いしやがって…)
チームをめちゃくちゃにした上
一虎の気持ちを踏みにじった稀咲に殺意が湧いた
大切な仲間達を傷付け
東卍を壊そうとしている稀咲を
本気で殺したいと思った
「…この時を待ってたぜ…稀咲ッ‼︎」
持っていた鉄パイプで後ろから思い切り殴りつけると
稀咲は吹っ飛んでいった
「やめろ場地‼︎」
「オレらはオマエを連れ戻しに来たんだぞ‼︎」
ドラケンと三ツ谷の声に一瞬気を取られた隙に
俺は側にいた鼻筋に傷がある男にえり首を掴まれ
廃車の山の下の方へぶん投げられた
「大丈夫っスか?稀咲さん」
「ブンブンブンブン…オレの周りを嗅ぎ回ってるハエだ……叩き殺せ…」
「…上等だよ…稀咲‼︎」
その時
俺の前に千冬が立ちふさがった
「…千冬…?なんのマネだ?」
「……」
「どけよ…千冬ぅぅ!」
(…早く…稀咲にとどめを刺さなければ…)
そう思っている俺に
千冬は「東卍の為に稀咲をヤるなら今じゃない」と言った