第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
ユサユサと肩を揺すられて
日の光が差し込む部屋で目を開ける
腕の中には
目を閉じた時と同じようにレイナがいて
まだ静かな寝息を立てていた
あれが夢ではなかった事に安心して
ホッと息をつく
次の瞬間
目の端に人の気配を感じ
咄嗟に振り返った
そこには
両手を腰にあてて仁王立ちしている母親の姿があった
「うわっ‼︎かーちゃん‼︎」
「………圭介。…ちょっといらっしゃい」
「イデデデ‼︎ちょ、イテェって‼︎」
驚いて目を覚ましたレイナを部屋に残し
俺は耳を引っ張られるようにして台所へ連れて行かれた
「…夜勤明けでいま帰ってきたら玄関に女の子の靴があったから、まさかと思って部屋に見に行ったら…一体何やってんのアンタは‼︎…レイナちゃんを家に泊めて、しかも一緒に寝るなんて!」
「……うっせーな…朝からデケー声出すなって…」
口ごたえした瞬間
思い切りゲンコツで殴られた
「イデッ!…ったく何なんだよ…」
「彼女のお家の人には言ってあるの⁉︎まさか無断で外泊させたんじゃないでしょうね‼︎」
「……」
「バカ‼︎レイナちゃんは女の子なのよ⁇心配して探してたらどうすんの‼︎」
『………あの…』
台所の入り口の陰から恐る恐る顔を出したレイナが
母親に声をかけた
『…勝手にお邪魔して…泊まったりして……本当にすみません………家に帰りたくない事情があって……圭介君は…外でひとりで過ごそうとしてた私を連れて来てくれただけなんです…』
そしてレイナは、こうなったいきさつを
自分の家庭のことも全て正直に俺の母親に話した
" 心配している家族はいない " と彼女が言うと
母親は眉を下げて胸に手をあてた
話を聞き終わった後
母親は俺達に言った
「………レイナちゃんの事情は分かったわ………そういうことなら…お兄さんが帰ってる時、ウチに来てもらっても構わない…」
「…ホントか?」
「でもね……ちゃんとケジメはつけなさい…」