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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②







" 同じ場所にキスマークを付けて欲しい "



彼女は
俺にそう言った





『……お願い………嫌な記憶…消して…』



微かに震える声が
思い出した過去に怯えているみたいで

俺は宥めるように
レイナの髪を撫でた







何も言わずに身体を離し
仰向けにさせた彼女を胸の下に組み敷いて
襟元の開いた服からのぞく白い首筋を見下ろす

肩にかかる髪を指で避けると
左の鎖骨の少し下に、もうあの日見た痕はなかった


「……」


記憶の中のその痕に上書きするように
舌先をあて
強く吸い付く


目を閉じたレイナの指が背中に回り
俺のTシャツを強く掴んだ








水音を立てて離れると
レイナはゆっくりと目を開け
自分の身体に刻まれたばかりの赤い印を確認した

指の先で愛おしそうになぞり
俺の顔を見上げて微笑む


『……ありがと…』




彼女の笑顔にホッとした俺は
もう一度隣に横たわると
向かい合わせで腕まくらをするように抱きしめた



『………髪、伸びたね…』


俺の髪に指を絡め
毛先までスルスルと滑らせる


「……あぁ…………願掛け…してんだ…」

『……そうなんだ…』


レイナは
それ以上何も聞かない代わりに
俺の目を見つめて言った


『……圭介のお願いが叶うように……私も祈ってるね…』




彼女の澄んだ瞳は
誰にも話したことのない俺の願いを知っているかのようだった




そして

今も俺のことが好きだと言ってくれたレイナに
返事を伝えられないままでいる理由も



腕の中で俺を見上げている彼女の望みを
まだ、叶えてやれない理由も



全てが
その願いに繋がっていることさえ
見透かされているような気がした







『…おやすみなさい……圭介…』





レイナの笑顔を抱き寄せ


額にそっと口付ける






「……おやすみ、レイナ…」








繰り返し見ていた夢と、同じ場面の中で





俺は目を閉じ




今度こそ

この夢が醒めないように祈った








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