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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②




ひとしきり泣いた後
俺の胸に額を付けたまま
レイナが言った


『……グスッ………グス……………圭介………ちょ…と……洗面所…かして…』

「……へ?………ぁ………オゥ……コッチだ…」


まだ履いたままだった靴を脱いで
俺が先に歩くと
彼女は下を向いたまま後をついてきた


「……顔洗うのか?」

『………ウン………いいかな…』

「…オゥ…」


洗面所の電気を点けてやる


「…そこで洗え…」

『……ありがと………圭介は、先に部屋行ってて…』

「…ん……分かった…」


廊下に出ようとしたが
ふと思い出して
側の棚からタオルを取り、差し出しながら振り返る


「レイナ、タオルここに…」

『わぁぁっ!コッチ向いちゃダメぇ!』


慌てたレイナの顔を見ると
涙で化粧が落ちてしまっていた


「…………………プッ…………ハハ……なんだよその顔…」

『…っ…』

「…目の周り真っ黒になってんぞ……アハハハ…」

『……圭…介…?……そんなに…笑わなくたっていいでしょ…』

「だぁってよぉ〜…なんか、タヌキみてぇなんだもん……アッハハハハ…」

『…〜〜〜〜〜〜…』

「………あー…腹イテ…………笑ったぁ〜」

『……』

「………………………ぁ………やっべ……」

『……圭介……タヌキってどーゆー意味…?』

「……いや、あの……そのまんまの意…味…」

『はぁ⁇』

「…っじゃねーや……いつもより…もっと目がデッカくなって、タヌキみてぇでいいなぁ…と…」

『タヌキみたいで何がいいの⁇もぉ圭介なんて知らない‼︎』

「わ、悪かったってぇ………でもよぉ…タヌキって、よく見るとかわいい顔してんだぞ…」

『全然フォローになってない‼︎圭介のばか!』


レイナはそう言うと
タオルを引ったくるように取って
洗面所のドアをピシャリと閉めた


(……ハァ……なんですぐこうなっちまうんだ…)


1年以上ぶりに誤解がとけたと思ったのに
また彼女を怒らせてしまった


(……でも……元気は出たみてぇだな…)


落ち込んだ顔や泣き顔よりも
唇を尖らせながら文句を言っている顔の方がよっぽどいい


とにかく
あの、心を閉ざしたような彼女の冷たい表情は
もう2度と見たくなかった








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