第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
メールを読み終えて顔を上げた俺に
レイナは言った
『…そのメールを読んだから…圭介が私のこと避けてるのかと思ってた……違ったんだね…』
「……そ…んな訳……ねーだろ…」
彼女は
ホッと息をついて笑った
『…良かった…』
「良くねーよ!」
『……っ…』
「…オマエ……ずっとこんな思いしてたのかよ…」
『…………始めの頃はね……間違えて私の部屋のドア開けたとか言ってるくらいだったの………その次は……親が見てる前で…手繋ごうって言われたり…肩に腕まわされたり……小学生だった私は……兄妹仲良くしてる所を親たちに見せて…安心させてやろうって言われて……おとなしく我慢してた………でも…だんだん……親が居ない所でもしてくるようになって…』
「……」
『…中学に上がったばっかりの頃……寝てる時に部屋に入ってきたことがあって……それで…もう限界だって思って…母親に相談したの………そしたら…" お兄ちゃんはアンタと仲良くしたいだけよ " って…言われて…』
「は?…なんだよ…それ…」
『…だったらせめて部屋に鍵を付けて欲しいって頼んだ事もあったけど……" そんな波風立てるようなことできない " " 嫌ならお兄ちゃんが家に帰って来てる間、アナタは外で過ごしなさい " …って…』
「……初めて会った時…帰りたくないって言ってたのも……そういう事だったのかよ…」
『……………大学生の頃は休みも多かったけど……今は仕事してるから…だいぶ減ったんだ……それでも…休みの前の日とかにフラッと帰ってくることがあって…』
「……」
『……………圭介が見た……あのキスマーク……寝てる間に付けられたの………夜中に突然帰ってきた事…知らなくて……油断してて……………途中で気が付いて突き飛ばしたけど……もう痕になってた……………こすっても……引っ掻いても…消えなくて………気持ち悪くて……すごく嫌だったのに………それを圭介に見られちゃうなんて…………本当に…悲しかった…』
握りしめた拳の爪が
手のひらに食い込んでいく
目に涙を溜めて俯くレイナを見つめながら
俺は
怒りで暴れ出してしまいそうな自分を必死に抑えていた