第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
立ち聞きした話のあまりの内容に
俺はこのことを誰にも言えなかった
ただ
あんな眼鏡のチビがどうして参番隊隊長の座を狙っているのか
俺ひとりで奴の目的をもっと調べてみようと思った
マイキーとドラケンはパーちんのことで意見を対立させてぶつかった
隊員や他の隊の隊長達までもが
東卍が分裂するかもしれないなどと言ってハラハラしていたが
アイツらの互いに仲間を想う気持ちを信じていた俺は
それほど心配していなかった
そして2人は
予想通りいつの間にか仲直りをして
次に会った時にはいつもみたいに並んで笑っていた
パーちんが東卍から見捨てられたような気になっていた参番隊副隊長のペーやんは
パーを助けようとしなかったドラケンのことを逆恨みしていた
その弱味につけ込まれ
愛美愛主の残党達にそそのかされて起こった
" 8・3抗争 "
この抗争の最中、参番隊のキヨマサに刺されたドラケンは
ギリギリのところで一命を取りとめた
キヨマサにドラケンを殺すように指示したのも
また、愛美愛主だった
愛美愛主の残党達を率いていたのは
これまでに見たことのない " 半間 " という男だった
(……半間は東卍の内部抗争を企て、キヨマサ一派を使ってドラケンを殺そうとした…)
そこまで考えた時
俺はパーの件でマイキーと交渉をしていた眼鏡の男が、愛美愛主のメンバーと一緒にいるところを
前に見たことがあるのを思い出した
(……クソッ……何もかも愛美愛主が絡んでんじゃねーか………コイツはぜってー何か裏があんぞ……)
" 東卍を壊そうとしてる奴がいる "
俺の野生のカンがそう言っていた
けれど
何の証拠も無い
マイキーは眼鏡の男を信用しているようだった
そうなると、ドラケンや三ツ谷もマイキーの方に付くだろう
(……企みを暴くには証拠が足りなすぎる……もっともっと調べて…相手のボロが出るのを待つんだ…)
スパイのような事をするからには
誰も巻き込むワケにはいかなかった
もちろん
千冬のことも
(……オレひとりで何とかする…)
東卍の危機を回避するために
その日から俺は
水面下でひとり、動くことを決めた