第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
何でわざわざそんなことを俺に言ってくるのかと少しイラついて
眉間にシワを寄せて睨むと
三ツ谷は続けて言った
「…それが……その時だけじゃねぇみてーなんだよ…パーが見たの……前から何度か見かけてるって言ってて…」
「…チッ………だから何だよ…」
「…………オマエ…………心配じゃねーの…?」
「……別に……あの店よく使ってるってだけだろ…………大体…アイツにはもう他の男がいるんだ……オレが心配したってしょーがねーだろーが…」
「…っ…でもさ…」
「しつけーぞ三ツ谷‼︎オレにどうしろっつーんだよ‼︎」
俺の怒鳴り声に
周りに居た奴らが一斉にコチラを見る
「…場地、三ツ谷…どうした?」
そう言いながら近付いてきたドラケンに「何でもねーよ」と言うと
ドラケンは三ツ谷を見た
「…場地の言う通り、何でもねーから。…大丈夫だドラケン…」
「………だったらいいが…隊長同士で喧嘩とかすんなよ?……東卍は内輪揉めご法度だっつってんのに…下の奴らに示しつかねーだろーが…」
「うっす」
三ツ谷の笑顔を見て
ドラケンは安心したようにマイキーの方へ戻って行く
「………怒鳴って悪かった…」
謝った俺にも
三ツ谷は笑顔を向けた
「…いーよそんなの………オレ…余計な事に口出してる自覚、ちゃんとあっから…」
「……」
「………でもさ……心配すんのは…別に悪いことじゃねぇと思うんだ…………他に男がいよーが……どんな関係になろーがさぁ……心配なモンは心配じゃん…………元カノだって……ダチだって……大切な相手のことなら…心配するのは当然だろ?」
ダチの俺を大切だと言ってくれているような三ツ谷の言葉が
素直に胸に染み込んでくる
「………そうだな…………一度…アイツと話してみるワ…」
「……ウン……それがいいと思う………そんじゃーな、場地…お疲れ…」
「…オゥ……………三ツ谷……ありがとな…」
俺が礼を言うと
三ツ谷は片手を上げて応え
心配そうな顔をしている八戒の方へ笑顔で歩いていった
「場地さんっっ」
ひとりになった俺の所へ千冬がすっ飛んで来る
その顔もまた
とても心配そうで
俺は
東卍の仲間達のあたたかさを
改めて実感したのだった