第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
それからの俺の生活は
これまで以上に東卍中心になっていった
もちろん学校はたまにサボるくらいでちゃんと通ったが
それ以外の時間は
喧嘩に集会、単車とチームに関わることばかりの日々を送っていた
短い秋が終わり
季節は冬に変わった
東京卍會は順調にデカくなり続け
隊の数も伍番隊にまで増えた
俺と千冬は毎日のように喧嘩に明け暮れ
壱番隊を東卍の中で最強の部隊にする事に力を注いでいた
12月も半分を過ぎた
ある金曜日の夜
東卍の隊長クラスを集めた月1の幹部会が終わった後
巡回がてら三ツ谷と2人で縄張りを流している時に
横断歩道の手前で単車を停めた三ツ谷が、すぐ横のファミレスを指差した
「……なぁ場地……あそこに居る女…レイナちゃんに似てねぇか?」
ファミレスの方を見ると
化粧をして、大人っぽい服を着たレイナが
窓側の席に座っているのが見えた
「……」
「…………やっぱ…アレ、レイナちゃんだよな………場地と同中じゃあ……家、この辺じゃないだろ?………こんな遅い時間に…ひとりかな…」
「………そんな訳ねーだろ…」
彼女の周りにツレらしい人間は見えなかったけれど
こうしている今にも姿をあらわしそうな気がして
急いで単車をスタートさせた
「…っ…オイ、場地…待てって…」
慌てた様子で三ツ谷が追いかけてくる
俺はとにかく早くその場から立ち去りたくて
更にスピードを上げた
「……けっこう前にさぁ……夜中のファミレスでレイナちゃんのこと見かけたの、覚えてるか?」
難しい顔をした三ツ谷が俺にそう言ってきたのは
それから3ヶ月ほど経った
集会の後だった
「…………あー……覚えてっけど?」
嫌な記憶に
思わず顔をしかめてしまう
「……今日、たまたま聞いたんだけどさ……先週…パーちんも見たらしいんだよ……夜遅い時間に…あのファミレスの窓側の席にひとりで座ってるレイナちゃんのこと…」
「あ゛?」