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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②





「場地さん、金魚すくいやるんスか?」


我に返ると
いつの間にか隣に千冬が立っていた


「…………いや……やめとくワ…」

「…そっスよねー……ペケがしょっ中お邪魔してるし…金魚はなぁ〜…………あ、三ツ谷君達が射的やってますよ!オレらもやりません?」

「…おー……そうだな…やるか」

「ハイ!…オレ、結構得意なんで。負けませんよ♪」


千冬の笑顔に引っ張られるようにして
俺は仲間の輪の中に戻っていった











結局

夏休みの間中
俺はレイナに連絡を返さなかった

それどころか
あの日彼女から来たメールも開けないまま
8月が終わり、新学期を迎えた




2学期初日の放課後
レイナはやっぱり俺の所に来なかった

「少しだけ待ちましょうよ」と千冬が言うので待っていると
窓の下にひとりで帰っていく彼女の後ろ姿が見えた


「…………もう帰んぞ…」


席を立って教室を出ると
千冬も後から着いてきた


「……レイナさん、どーしたんスかね?……オレ、久しぶりに話したい事いっぱいあったのになー…」

「……」






次の日からもずっと
レイナは俺達に顔を見せに来ることはなかった


学年の違う彼女とは
あえて交流を持とうとしない限り、特に接点もない


すれ違った時に軽く話をする程度の素っ気ない関係になってしまったことを、千冬は寂しがっていたが
アイツなりに気を使っているのか
理由を聞いてはこなかった










俺とレイナを繋いでいた糸は

一度強く引き合って、離れた



彼女が断ち切らないでいてくれたおかげで

再び手繰り寄せることができたこの細い糸から



俺は
今度こそ

完全に手を離してしまった












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