第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
武蔵祭りは
予定通り、東卍のメンバー達と行った
この頃には
何とか気持ちが落ち着いてきて
ヤローだけでワイワイ言いながら回る祭りも
それなりに楽しめた
参道を歩いている途中
金魚すくいの屋台を見ながら
マイキーが思い出したように言った
「…そういや……レイナ、元気にしてんのか?」
マイキーの問いに
俺は全然大したことではないような口調で答えた
「…あぁ……男ができて…上手くいってるみてーだ…」
「は?…レイナに男?」
マイキーは
信じられないといった顔で笑った
「…んーな訳ねぇだろ……アイツがオマエ以外のヤローなんて相手にするかよ…」
「……でも……ホントなんだよ…」
俯いた俺の隣で
マイキーは「ふーん…」と言いながらポケットに両手を入れた
「…………で……場地はそれでいーの?」
「……いいも何も……オレらもうとっくに別れてるし…」
「…んな事聞いてんじゃねーよ……オマエがそれでいいのかどうかだ…」
「…は?」
「………" レイナはオレのモンだ " …って……言ってたよなぁ…オマエ…」
「……」
「……オレにあんな事言って引き下がらせといて……他のヤローにはアッサリ渡しちまうの?」
「………………仕方ねぇだろ………オレは…アイツのことに口出せる立場じゃねーんだよ…」
マイキーはしばらく黙った後
もう一度「ふーん…」と言った
「………なーんだ……だったら俺がもらっちまえばよかった…」
「……」
「…お!たい焼き屋発見♪…ケンチーン!たい焼き買ってー」
「あ゛?そんなんテメーで買えや」
「サイフ持って来てねーもん」
「はぁ⁈」
「ね〜ケンチーン、お願い♡」
マイキーが背中に飛び付くと
ドラケンは「あっぶねーなマイキー‼︎降りろ‼︎」と大声を出す
いつも通りの光景から目を逸らして
足を止めた俺は、金魚の屋台を振り返った
「……」