第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
「…はぁ⁇………っ…バカかテメーらは……くだらねー事話してんじゃねーよ…」
その言葉に
千冬は表情を引き締めた
「……くだらなくなんかないっスよ………俺…レイナさんの気持ちに胸打たれました…………場地さん……レイナさんはスゲー場地さんのこと想ってますよ…」
純粋な瞳を真っ直ぐに向けられて
息が苦しくなる
「……………千冬………レイナから何聞いたか知んねーが……アイツのアレはただの同情心だ…」
「っ…そんなことないです」
「そうに決まってんだよ」
「違います‼︎」
「あ゛⁈じゃ執着かよ?依存か?…何だって同じよーなモンだろ」
イラついた俺がデカい声を出すと
千冬は下を向いた
「……口答えしてすんません………でも…あの人のあの気持ちをそんな言葉で片付けるのは……いくら場地さんでも…あんまりだと思います…」
「……」
「……オレ…正直言って……場地さんがどうして身を引いてんのか分かんねーっス………レイナさんは…あんなに場地さんのこと想ってくれてんのに…」
そこまで言ってハッとしたのか
千冬は突然顔を下げた
「…っ…お二人の事情、何も知らねーくせに……生意気言ってすんません!」
「……………ホント……生意気だな…」
「すんません、すんません」
青い顔で謝る千冬を無視して
ゴキに跨り、エンジンをかける
ハンドルの間で
2つ並んでいるイルカを見つめた
「……結局、オレは…オマエに甘えっぱなしなのかよ…」
「…?……場地さん、何か言いましたか?」
「……何でもねー……流して帰んぞ千冬ぅ…」
「…うっス‼︎」
残っているマイキー達に手を上げて挨拶をし
駐車場を出る
まだ少し気まずそうな顔をしている千冬をコールで煽ると
すぐにいつもの笑顔が返ってきた
2台の単車が
深夜の国道を切り裂く音が
星空の下に響いた