第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
千冬は俺を慕ってくれた
知り合った後すぐに東卍へ入り
壱番隊副隊長として側で支えてくれる存在になった
俺はそんな千冬のことを
後輩というよりも親友だと思っていた
親友と呼べる存在ができたのは、一虎以来だった
東卍の集会や喧嘩の時はもちろん
学校の登下校や、休み時間のほとんどを俺は千冬と一緒に過ごすようになった
さらに、団地に帰ってからもお互いの部屋や階段の踊り場に集まって、2人で夜遅くまで話をした
東卍のこと
学校のこと
もちろん自分のことも
何かの流れで、将来の夢の話になった時
千冬は「オレは、パイロットになりたいんです」と言って少し照れ臭そうに笑った
「おぉ、スゲーじゃん………でも、パイロットってよー…頭良くなきゃなれねーんじゃね?…オマエ…大丈夫なのかよ…」
「…っ…そん時は!オレ、マジでメッチャ勉強するんで‼︎だから大丈夫っス‼︎」
「…アハハ…頑張れよ…」
「…ちょ、笑わないでくださいよー……それにしても…場地さんのペットショップの夢、スゲーかっけーっス!…オレ、全力で応援するんで…マジで叶えてくださいね!」
「…オゥ…ありがとな…」
一緒に過ごして
色々なことを話しても
俺はまだ
あの事件のことを千冬に言えずにいた
隠し事をしているようで後ろめたい気持ちと
このことを知った時の千冬の反応に対する心配とが
心の中でせめぎ合っていたけれど
" もう少し打ち解けたら話す " と自分自身に言い訳をしたまま
ズルズルと先延ばしにして
時間は過ぎていった