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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②




マイキーに家から連れ出され
また仲間達と過ごすようになってから
俺は一虎のことをより強く考えるようになった


みんなの笑顔の中に一虎が居ない

その風景はいつまでも見慣れる事はなく
微かな違和感と胸の痛みをいつも俺に感じさせた



当たり前のことだが
マイキーの前では誰も一虎の話をしなかった




俺を助けるために人を殺してしまった一虎は
俺を庇い、ひとりで罪を背負った


思い返してみれば
最初に出会った時、一虎は一緒に居たツレの為に身体を張って俺に立ち向かってきた

そんな仲間想いのアイツのことが気に入って
俺は一虎に、ダチになろうと言ったのだった



親族以外は面会も出来ない塀の中で毎日を過ごしている一虎に
何かできる事はないか

色々と考えた挙句
俺は手紙を書くことを思い付いた




まともな手紙なんて今まで書いたことが無かったので、時間はかかったが
辞書を引いて漢字を調べながら少しずつ書いた


もう少しで描き終わると思った頃
リーゼント頭の奴が前の席に座り、声をかけてきた


「1組の松野千冬」と名乗ったそいつは
目付きは悪いが性格はすごくいい奴で
何となく仲良くなれそうな予感がした

漢字の間違いを色々と教えてくれ
おかげで俺は無事に手紙を出すことができた




その日の放課後

学校からの帰り道
千冬が20人位のヤンキーにひとりで囲まれていたので
俺はさっきの礼に喧嘩の加勢をすることにした

相手は口ほどにもない連中で
何の手応えもなく俺ひとりで決着はついてしまった




呆気に取られたような顔をしている千冬を自宅に誘うと
千冬の家は、偶然同じ団地の2階だった


一緒に好物のペヤングでも食おうと思って誘ったのに
家の戸棚には一個しか残っていなかった


「え⁉︎ペヤングあと一コしかねぇじゃん!…オフクロ‼︎」

「じゃっじゃあ…オレいらないっスよ…」


慌てたように遠慮する千冬に苦笑いしながら
俺は「…半分コな」と言った





「…ペヤングって…最後、ソースでベチョベチョになったかやくが美味いんすよね!」

「テメっ、なに2口目いこーとしてんだよ!1口ずつって約束だろーが!」

「えぇっ⁉︎そんなん言ってましたっけ?」


ワイワイ言い合いながら千冬と半分コして食ったこの時のペヤングは
いつもより何倍も美味かった





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