第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
4月
同じ学区にある団地に引っ越しを終え
新しい環境で新学期を迎えた
中1の始めからもう一度やり直すことに決めた俺は
2度と母親を泣かせることの無いように
今後、学校生活だけは真面目に送ろうと心に決めた
2回目の中1
一度受けた事があるはずなのに
授業の内容が全く理解できなかった
焦りを通り越して不思議に思った俺は
マイキーに相談することにした
「…ヤベーんだよ……勉強しないといけねーのに…授業の内容がなんも入ってこねぇ…」
「だったらさー…とりあえず…メガネかけとけば頭良くなるよ」
「…は?…マイキー?」
「おー‼︎マジか⁉︎」
「…ん?…場地?」
俺とマイキーの顔を交互に見ているドラケンの脇腹を
何故かマイキーがニヤニヤしながら突っついた
いい事を教えてもらった俺は
マイキーに相談して本当に良かったと思いながら2人に言った
「メガネ買い行くから、渋谷付き合ってくれ‼︎」
けれどその日
買い物に行く途中で肩が当たったヤンキーと喧嘩になり
ゴタゴタしているうちに
肝心のメガネを買うことをウッカリ忘れてしまった
結局、違う日にもう一度買いに行って
次の日から俺は、メガネをかけて授業を受けることにした
それから1週間経っても
効果の実感はまだ感じられなかった
(……でも…考えてみりゃ頭良さそうな奴って、みんなメガネかけてるよな………コナン……飯田天哉……クルル曹長……丸尾君………ヨシ。みんなメガネだ…)
のび太の顔がチラッと頭に浮かんだが
俺は無視して " やっぱりこの方法で間違いない " と自分に言い聞かせた
それに何より
朝、メガネをかけて鏡を見た時
そこに映っている自分がすごく勉強ができそうに見えた
(………ウン……今日もいい感じだ……………待てよ…分け目を横の方にしたら…もっとデキそうじゃねーか?)
髪を横分けにし、後ろでひとつに結んでみる
(……おぉ…これはスゲー発見だ………いよいよメガネの効果が出てきたのかも知んねぇ……)
鏡の中の自分に頷き
俺はカバンを持って家を出た