第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
すると
母親は椅子から立ち上がり
俺の頬を思い切りビンタした
驚いた俺を睨むように見上げ
大声で怒鳴る
「親に向かって関係ないなんて言うな‼︎」
「……っ…」
「…………アンタが…これまでにした事も……これからする事も………かーちゃんに関係ないことなんて一つも無い…………赤ん坊の頃と違って…ずっと側に付いてることは出来ないけど……どんなに大きくなったって…圭介はアタシの大切な子供なんだからね!」
「……かー…ちゃん…」
「…………アンタの人生は…アンタが自分で背負って生きてくしかない………これから……辛いことも…大変なことも…いっぱいあると思う…………でも……諦めて逃げることだけは…しないで欲しい…」
「……」
「………夢があるんでしょう…?……小さい頃から…ずっと言ってたじゃない…」
ペットショップを開くことが
俺の昔からの夢だった
幼い頃、その話をした時の嬉しそうな顔が
目の前の母親の顔と重なった瞬間
母親の目から涙が一粒こぼれ落ちた
「……心配だって……迷惑だって……かーちゃんにだったら幾らかけてもいいの!………そんな事よりも…アンタは自分をもっと大切にしなさい…」
母親の涙を
この時、初めて見た
固まったように動けなくなってしまった俺に
「分かったわね?」と聞く
黙ったまま頷くと
「じゃあこの話は終わり!」と、俺の背中をバチンと叩いた
「……進級するかどうかは一晩よく考えなさい……明日の朝、答え聞かせてね!」
かーちゃんはそう言うと
いつものように笑顔で仕事へ出掛けて行った