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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②




自分で言葉にして
ハッとした


けれど


今さら気が付いたところで

もう
どうする事もできない




そう思った時

目の前の悲しげだった彼女の顔が
柔らかい笑顔に変わった


『……その言葉聞いて…少し安心した。………同じ気持ちだった事も…あったんだよね、私達…』

「……レイナ…」

『……………それだけ分かれば………もう…充分だよ…』



どこか吹っ切れたような彼女の顔は
さっきよりも少しだけ晴れやかに見えた




(……あぁ………これで…もう……本当に終わりなんだ…)




レイナからの連絡をずっと放っておいたのは
この時を先延ばしにするためだったのかも知れない


別れ話を切り出しておきながら
それを拒む彼女の態度に
心のどこかでホッとしていた

突き放してでも別れなければいけないと頭では分かっていたけれど
実際に彼女を失ってしまった時のことを考えただけで
本当は怖くてたまらなかったのだ




(…それでも…手放してやらなければいけない……それが…オレの背負った罪の代償だ…)




大好きな笑顔を見つめながら
そんなことを考えていた俺に
彼女は言った


『…明日からは……また友達に戻ろ?』

「……ぇ…」

『……友達として…圭介の側に居させてよ…』

「……」

『……それなら………せめて…それくらいなら……いいでしょ?』



潤んだ瞳が
真っ直ぐに向けられる




俺への想いに囚われているレイナを解放するため

ここまで
必死にこらえてきたというのに


最後の最後で
弱さが出てしまった






俺が何も言わずに頷くと


彼女は安心したように
『ありがと』と言って微笑んだ








まだ涙の乾いていない目元を静かに伏せ

背伸びをして俺に口付ける









微かに震えていた『サヨナラ』の言葉は






俺の為に
精一杯強がってみせた


彼女の優しさだった









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