第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
『………お…願い…だから………私に触って…?………抱きしめてよ圭介…』
レイナは
俺の胸に顔を埋めて泣きじゃくった
綺麗な涙が
彼女の想いと共に染み込んでくるようだった
「……っ…」
肩を震わせて泣いているレイナをなんとか慰めたくて
無意識に背中に手を回しかけ
寸前のところでこらえた
「………出来ねぇ…」
強く拳を握りしめると
ギリギリと音が聞こえた
いまにも崩れてしまいそうな彼女の両肩に手を置いて
そっと身体を離した俺は
俯いたまま涙をこぼすレイナに
心から謝った
「……レイナ………本当にゴメン……」
『……』
「………オマエが…オレのしたことに目をつぶって……受け入れてくれたとしても………オレが認めたくねぇんだ……こんな奴が…オマエの隣にいる事を…」
『……』
「……許してくれ…レイナ……あんなに好きだったオマエの笑顔……今は見てるだけで苦しいんだよ…」
声が震えている事に気付いて
レイナが顔を上げた
『……』
彼女は
静かに俺を見つめた後
指を伸ばして濡れた頬を拭ってくれた
『……………………分かった…』
「……」
『……………何があっても……私が側に居るって…………ひとりじゃないって…思って欲しかった………でも……私と居ることで圭介が辛くなるなら……仕方ないね…』
「……」
『…これ以上…圭介を苦しめたくない…』
レイナは
距離を置くように一歩後ずさりした
『………圭介……最後にひとつだけ聞かせて…』
「…何だ…」
『……………私のこと………どの位好きだった…?』
彼女の瞳を見つめながら
俺は正直に答えた
「……オマエの為なら……オレの命…喜んで賭けられるくらい…」