第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
季節は秋に変わり
冬が近づいてきた
ある夜
マイキーが俺を訪ねてきた
さすがに断る事はできず
母親はマイキーを俺の部屋へと案内した
事件の後
警察から自宅に帰されてすぐに
俺は母親と一緒に佐野家へ謝罪に行った
マイキーはずっと万作先生の後ろで下を向いていて
俺の方を一度も見ようとしなかった
マイキーと会うのは
その日以来だった
「…一虎の年少行きが決まった…」
「……」
「……事件の記録も見た………あの時…何があったのか……全部分かったよ…」
マイキーは
刑期が短くなるように
一虎に有利な証言をしていたことを俺に伝えた
「………シンイチローが死んだ後…………オレ……オマエらのこと…殺したいと思ってた…」
足元を見つめたまま
感情のこもっていないような口調で淡々と話す
「……やりたくてやったんじゃねぇ……相手が兄貴だって事も、オマエらは知らなかったんだ…っていくら自分に言い聞かせても……その気持ちは消えなかった…」
「……」
「……でも……記録を読んで…場地は一虎に巻き込まれただけだって分かった…………だから……オレは…オマエを許すことに決めた…」
「………ぇ…」
「…………場地……オレはオマエを許す…………でも…一虎のことだけは絶対に許せねぇ…」
「………マイ…キー……?……………ち…違うんだ………単車を盗むって分かった上で…俺は自分の意思で店に入った……この手でチェーンも切った………巻き込まれた訳じゃねぇ…」
「……」
「……一虎が真一郎君を殴ったのもオレのせいなんだ……アイツはオレを助けようとしただけで………っ…こんな事になったのは…全部…オレのせいなんだよマイキー!」
「…シンイチローを殺したのは一虎だ」
「だからそれは!」
反論しようとする俺を
マイキーは静かな瞳で睨み付けた
「…場地……オマエは…オレよりも一虎の味方をするのか…?」
「…そういう訳じゃ…」
「だったら!……もう二度と…アイツを庇うような事を言うな」
「……」