第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
いつの間にか夏休みが明け
9月も終わりかけていた
相変わらず部屋に引きこもっていた俺は
ある時
ずっと放置したままだった携帯の電源を入れた
受信箱を開くと
溜まっていたメールがズラリと並ぶ
ドラケン、三ツ谷、パーちん
こんな俺のことを
みんなが心配してくれていた
レイナの名前もたくさん並んでいて
また胸が苦しくなる
" 話したい "
" 会いたい "
" 少しだけでもいい 会いたいよ "
"どうしても 会いたいの "
" 圭介のことが心配でたまらない "
内容を隅々まで読まなくても
繰り返し目に飛び込んでくる、彼女の想い
改めて触れてみると
すぐに罪悪感で押し潰されそうになった
胸の痛みを必死に堪えながら
震える指でメールを遡っていくうちに
俺は
あの日にたどり着いた
朝から何度も彼女がメールをくれていて
それを見て初めて
自分がレイナと公園で待ち合わせをしていた事を思い出した
愛車に2ケツして、少し遠出をしよう
どこへ連れて行けばレイナは喜んでくれるだろうかと
ワクワクしながら考えていたのが
もう、何年も昔のことのように思えた
どれだけ手を伸ばしても
2度と取り戻せない過去
分かってはいても
せめてあの日に戻って
公園でひとり
来ない俺をいつまでも待っているレイナに謝りたかった
けれど
そんな願いすら
今はもう叶わない
枯れたはずの涙が
また
一粒こぼれて
俺の頬を濡らした