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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②




「…ぇ……お兄さん…スか…」

「ウン。ウチのレイナがいつも世話になってます」


冗談混じりの改まった挨拶に
少し焦りながら頭を下げる

アニキがいる事など全く知らなかった俺は
彼女の方を見た


『……ゴメンなさい……言ってなくて…』

「……ぁ……いや…」


気まずそうな顔で謝るレイナに
それ以上詳しいことは聞けなかった



そんな俺たちのことなど全く気にしていないかのように
彼女の兄は話を続けた


「…お?祭りで金魚とって来たのか?…その水槽、重いだろ…持ってやるよ…」

『…いい…』

「いーから…」


そう言って
レイナの手から半ば強引に水槽を取り上げる


「…アレ?…レイナ…浴衣の後ろがすごいシワになってんぞ?」

『……ずっと寄りかかって座ってたから…こうなっただけ…』

「…ふーん……だったらいいけど………クスクス……一瞬…彼氏に何かされちゃったのかと思った…」


試すような言い方に俺が反応するよりも早く
レイナが言った


『…っ…失礼な事言わないで!』

「…アハハ……ゴメンね、彼氏クン……俺…普段、一人暮らししてるから…かわいい妹のことが心配でさ…」

「……ぁ……うッス…」

『…もういいでしょ……早く…家の中、行って…』

「…ハイハイ…」


鉄の門を開けて中へ入り
後ろを振り返る


「…ホラ……もう遅いからオマエも入れ…」

『……』


彼女が黙っていると
レイナのアニキは俺の方を見た


「…君は帰るんだよね?…それとも…家、上がってく?」


それを聞いたレイナが
小さな声で俺に言った


『……圭介……送ってくれてありがと………後で…メールしてもいい?』

「………オゥ…」

『……』

「……レイナ………大丈夫か…?」


無意識に
そんな風に聞いてしまった


すると彼女は
いつもと同じように微笑んで
俺にしっかりと頷いてみせた


「……分かった………それじゃ…」


その笑顔を信じ
2人に背を向けて歩きだす


「……」


一見、人当たりの良さそうなレイナの兄と
対する彼女の冷たい態度に
何とも言えない違和感を感じた



説明の付かない本能的な感覚に
胸の中がザワついて

家に帰ってからも
俺はずっと落ち着かなかった




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