第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
腕まくらをするように
そっと抱きしめる
しばらくそうしていると
少しずつ意識がハッキリしてきた
「………レイナ…?」
名前を呼ぶと
腕の中のレイナが俺を見上げる
ある程度心の準備はしていたけれど
はじめての事に不安な気持ちもあった
彼女に嫌な思いをさせなかっただろうかと心配していたが
少し照れたような笑顔を見て、それも一気に消えていった
『…………圭…介…………優しくしてくれて……ありがと………大好き…』
安心すると同時に
愛おしさが込み上げる
「……俺も…」
キスしようと顔を近付けると
彼女の指が俺の唇の上をおさえた
『……』
「………?……どうした?」
『…………"俺も"………なぁに?』
「………へ?」
突然の質問に焦って
まだちゃんと回っていない頭で考え始めた俺に
レイナはキッパリと言った
『… "俺も" だけじゃ分かんない。ちゃんと好きって言って?』
「………っ……分かってんじゃねぇか……だったらいいだろ?」
『ヤダ。……圭介…告白してくれた時以外、一度も言ってくれないじゃん………私からは何度も言ってるのに…』
痛い所を突かれて少々怯む
告白の時ならともかく
普段の会話の中でそういう事を言うのがたまらなく気恥ずかしくて
俺はずっと誤魔化していたのだ
まさかレイナが気にしているとは思わず
油断していた
『…お願い圭介〜…言ってよぉ…』
「……ぅぅ………お、男は……そんな事…軽々しくポンポン言わねーんだよ」
『…ずるい〜。もう、いーよ!だったら…私も言わない!』
あくまで逃げようとする俺に
レイナはとんでもない事を言い出した
(……は?…" 私も言わない "?……もう…オレのこと " 好き " って言わねーって事か⁇)
黙り込む俺の目を見て
レイナはたたみかけるように言う
『ねぇ〜…ホントにもう言わないからね?…それでもいいの?』
「……っ…」
「いいワケねぇだろ‼︎」と声を上げてしまいそうになったが
何とか堪えた
恥ずかしそうに " 好きだよ " と言って微笑むレイナに
これまで俺がどれだけ幸せな気持ちにさせられてきたと思っているのか