第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
金魚すくいの屋台に向かう途中
「…こんなのはいつものことだ…」
ドラケンの声に
クスクスというレイナの笑い声が重なる
『…あ、そうだドラケン君………さっき…助けてくれてありがとうね…』
「……礼なんか…いらねーよ…」
そう言ったドラケンの頬が微かに赤く染まってるのを
俺は目の端で見ていた
「……」
金魚すくい対決の結果は
俺の圧勝だった
俺以上に負けず嫌いなマイキーは「一回勝負なんて言ってねぇ‼︎」などと駄々をこねて、最後まで負けを認めなかったが
生き物相手なら
何度やってもマイキーになんか負けるはずがない
当然の結果だ
駐車場でみんなと別れ
帰り道
金魚の入ったビニールを何度も顔の高さまで持ち上げては
『かわいい』と笑うレイナに、俺は言った
「……そんなに気に入ったなら…その金魚、オマエん家で飼うか?」
『いいの⁇……ぁ…でもウチ…水槽ないから…』
「そしたら…オレん家の水槽貸してやるよ」
『ホント⁈ありがと圭介♪』
レイナを連れて家へ帰ると
母親は夜勤で居なかった
俺は押し入れの奥から水槽やポンプなど必要な物を引っぱり出し
まとめて玄関に置いた
『…どうもありがとう……これで安心だね…』
下駄を履こうとするレイナの手首を掴み
自分の方へ引き寄せる
咄嗟な事によろめいた身体を
腕の中に包み込んで言った
「………もう、帰ンの…?」