第3章 東京卍リベンジャーズ・半間修二
この街では
バレンタインなんてただの口実だった
恋人達のイベントにかこつけて
大金が行き交うだけの年中行事
お祭り騒ぎのような記念日がひとつ終わり
一週間が経った頃
夕方
定食屋に入ろうとした死神を
呼び止める声がした
『死神さん!』
「…?」
『…良かった♪また会いたいと思ってたんです』
「……誰だっけ?」
『…やだなぁ……忘れちゃったんですか?…この間助けてもらって、ハートのチョコ渡したじゃないですか♪』
「……そんな事…あったよーな」
『…死神さん…お腹空いてるんですか⁇…ちょうど良かった!ウチのお店、隣のビルなんです!この間のお礼、ちゃんとさせてください♪』
天使の羽根をつけたメイドに強引に手を引かれ
死神は隣の雑居ビルの7階に上がった