第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
「……?……どういうことだよ…」
「…だーから♪みんな、レイナちゃん狙ってるってこと」
「は?んな訳ねーだろ…」
「…場地、気付いてねーの?あのパーちんが自分から食いモンあげてたんだぞ?」
一虎に言われて
レイナにベビーカステラを分けていたパーの事を思い出す
人一倍食い意地の張っているパーちんが、他の奴に食い物を分け与えているところなんて
これまでに一度も見たことがなかった
「…何気に三ツ谷も油断できねーよなぁ〜……帯が曲がってるとか言って、さっきレイナちゃんに触ってたろ…」
「…っあれは……単に…直してやってただけだろ…」
「……ハァ……ホントお人好しだな〜場地は………アイツ…一見優しいから、うかうかしてっとレイナちゃんコロッといっちまうかも知んねーよ?」
「……」
黙り込んだ俺に
ニヤけ顔の一虎が更に続ける
「ドラケンだって分かんねーぞ?」
「…いや、アイツはねぇよ……絶対ねぇ!」
そう言って周りを見回すと
ドラケンの姿がなかった
「…アレ?ドラケンは?」
「トイレだってよ」
パーちんが答えた時
参道の脇からドラケンが戻ってきた
ドラケンの隣には三ツ谷の妹達と手を繋いだレイナが
少し青い顔をして歩いていた
「……どうした…」
声を掛けると
代わりにドラケンが答えた
「…トイレの側の茂みで、ヤロー共に囲まれててよ」
「…ぇ……っ…大丈夫かレイナ…」
『……2人をトイレの外で待ってる時にナンパされて…無視してたら怒らせちゃったの……そしたら仲間の人達が集まってきちゃって………でも…ドラケン君が助けてくれたから、大丈夫だよ…』
レイナの怯えたような表情に
頭にカッと血がのぼる
「ドラケン、相手は?どこに居る?」
「…全部で10人位居たんだけど……特にイキがってた奴ら何人かぶん殴ったら、みんな逃げてっちまった」
「……チッ…」
舌打ちをした俺の隣でレイナが三ツ谷に言った
『…ルナちゃんとマナちゃんに…怖い思いさせてゴメンなさい…』
「謝ることねーよ……レイナちゃんだって怖かったろ…?……オレこそ…一緒について行かなくてゴメンな…」
『…私はもう平気……ありがとう三ツ谷君…』
「……」