第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
オレの身体につかまりながら恐る恐る後ろのシートに跨ったレイナの頭に
用意していたメットを乗っけてアゴ紐を調節してやる
「苦しくねぇ?」
『…ウン……だ、大丈夫…』
スタンドを蹴って車体を起こすと
レイナが『ぅわわっ』と声を上げた
「足、ステップに乗っけたな?ちゃんとつかまってるか?」
『ど、ど、どこにつかまればいいの⁇』
「シートん所にあんだろ?脚の間〜……それか、怖かったらオレのベルトにでもつかまってろ」
『…わ、分かった!』
レイナはそう言うと俺の腰にベルトのように腕を回してしがみついた
「………そーじゃなくて…ベルト掴んでろって意味だったんだけど…」
『…何⁇何か言った⁇』
「……何でもねー……ってか………クスクス……オマエ…ビビり過ぎ…」
『何⁇⁇聞こえないってば‼︎』
「…何でもねーよ!……行くぞ〜♪」
広い倉庫に響くゴキのエンジン音
俺はレイナを連れて
夜の中へと走り出した
向かったのは竹芝
前に三ツ谷の後ろに乗っけてもらった時にチラッと見えた夜景が綺麗で
自分の単車が動くようになったら
レイナを連れてきて見せてやりたいと思っていた場所だった
埠頭の先に単車を停め
脇の下に手を添えて抱き降ろす
『こんな景色初めて見た』とガキみたいにはしゃぐ笑顔を見ていたら
急に胸が苦しくなって
俺は
彼女の名前を呼んだ
「…レイナ…」
『…っ……な、何…?』
「……俺と……付き合ってくんねぇ?」
『…………え⁇』
「……オマエがあんなんで不安になってたって知ったら……なんか黙ってんのバカバカしくなったワ…」
『……ぁ………でも…』
「…?」
『……昨日の…先輩は?』
「…………………先輩?」
『…ウン……放課後呼び出されてたキレイな先輩。……圭介、デレデレ付いて行ってたじゃん…』