第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
それ以上余計なことは言わずに倉庫へ連れて行く
レイナはずっと口を尖らせたまま、黙ってついてきた
単車の側まで行き
ブルーシートを捲る
『……ぇ…』
「……昨日の夜中…やっと完成した………試しにエンジンかけてみたけど…問題ねぇみてーだ…」
尖った唇が引っ込んで
柔らかい表情に変わっていく
「…………エンジンの音……聞いてみるか?」
『ウン!』
俺はゴキに跨ると
キーを差し込んで回した
スターターを押してグリップを回すと
キュルキュルキュルという音がしてエンジンがかかる
『…ぅわあ……すごい………やったね圭介!』
久しぶりに見るレイナの100%の笑顔に
ザワついていた気持ちが優しくなだめられていった
しばらくマフラーをあたためてから
ゆっくり倉庫内を走らせてみる
ドラケンや三ツ谷の単車を借りて慣れていたので
運転の仕方は身に付いていた
倉庫を何周かした後
目を輝かせているレイナの前へ単車を停めて
俺は言った
「……待たせたな……約束のツーリング、行こーぜ」