第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
思いがけないことを言われ
咄嗟には言葉が出てこなかった
無理やり反論のセリフを絞り出す
「…………は⁇……っ…んな事ねぇ…」
『話してる‼︎…教室の前通った時に見ると、圭介の机の周りいつも女の子が囲んでるし……廊下とかでは…他のクラスの子とも喋ってるし…』
「…喋ってるって……向こうが色々聞いてくっから…答えてんだけだろ…」
『……休みの日…2人で遊び行こうって誘われてた…』
「…行ってねーよそんなん……行きたいとも思わねぇし…」
『一緒に帰ろうとか…』
「帰ってねぇ」
『…っ…でも!…もう何人も告白だってされてるでしょ⁇…毎日誰かしらから手紙もらってるし……昨日の放課後だって…キレイな女の先輩に呼び出されてたの知ってるんだから‼︎』
「ちょ、落ち着けって!…毎日手紙なんてもらってねーだろ……大袈裟な事言ってんなよ…」
『毎日じゃないかも知れないけど、色んな子からもらってたじゃん』
「………アレは……全部、読まねぇで捨ててる…」
『……ぇ…』
「……」
『…っ…捨てるくらいなら…何で受け取るの…』
「…最初に要らねぇって断った時に…相手に泣かれたんだよ………んで、面倒くせーから…読まなくてもいいならって言って……もらうだけもらってる…」
『……』
「………てか……オマエさぁ…」
抑えきれず
口元がニヤけてしまう
「………ヤキモチ焼いてたの?」
『…べ、別にそういう訳じゃ…』
みるみる真っ赤になっていく彼女が面白くて
もっとからかいたくなる
「……告白されたとか…手紙もらってたとか……ずいぶん詳しくねぇ?……オレのこと避けてるよーなフリして…実は気になってたん?」
『……ち、違うよ‼︎…圭介がデレデレしてるから、本当は一虎君みたいに軽い人なのかなって思って見てただけ!』
「ぁあ゛⁈一虎と一緒にすんな‼︎大体いつオレがデレデレしたよ⁈」
『いっつもデレデレしてたじゃん!』
「してねーよ!」
『してた!少なくとも昨日の放課後は絶対デレデレしてたもん‼︎』
とことん喧嘩越しのレイナに
大きなため息が出た
「……ハァ…」
これじゃいつまで経っても言い合いのループだと思った俺は
彼女の腕を掴んだ
「…もういい。…行くぞ…」
『……ちょっ……何……』
「いーから早く歩け」