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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②





『……ぇ…?』


負けず嫌いな性格の俺は
彼女の持っている袋から1番長いポテトをつまみ上げると
口の中に放り込み顔色を変えずに根性で食った


「……やっぱうめぇな……揚げたて…」

『……』

「…………ぁ……オレばっか貰って…悪ィ………ホレ…」


ポカンとしているレイナの口元に
食べかけの肉まんを差し出す


『……へ⁇』

「食えよ…コッチもうめぇぞ」

『………………ぁ………ウン…』


レイナは少し戸惑ったような様子で顔の横の髪を耳に掛けると
肉まんを一口かじり
パッと向こうを向いた


「……遠慮すんなよ……そんなちっちぇークチじゃ味分かんねぇだろ…」

『…わ、分かるよ………ウン……美味しい美味しい…』


後頭部を向けたまま話すレイナの耳が
赤く染まっている


「……?……コッチはそんなに熱くねーだろ?」


首を傾げながら肉まんを見た時
オレのかじり跡のうえについたレイナの小さな歯形が目に止まった



(………………………ヤベ……)





「…わ、悪ィ‼︎ダチのノリで‼︎つい‼︎」


言っている間にも
顔に熱が集まってくる


『ううん‼︎全然‼︎ホント!気にしないで‼︎』


見合わせた顔は茹でダコみたいに真っ赤で
俺もコイツと同じ顔色をしてるのかと思うと、このまま走って逃げ出したくなった








それから俺達は
誰もいない駐車場の方を向いて
何も話さずに残りを食べた


肉まんの最後の一口をコーラで流し込みながら
それとなく横目で様子を伺うと
レイナが黙々と激アツポテトを食べているのが見えて
思わず吹き出しそうになってしまった






気持ちを逸らすように夜空を見上げると

丸い月が静かに浮かんでいた





春の終わりの風が柔らかく頬を撫でていくのを感じながら


この時の俺は

これからの未来が今までよりもきっと楽しいものになると
心の底から信じていた









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