第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
次にレイナに会ったのは
それから2週間後のことだった
夜中の倉庫にひとりでいるところへ
彼女はフラリと現れた
『…良かった♪…今日は居た〜』
「…っ…バカ!オマエ、勝手にこんな所来てんじゃねーよ!」
驚いた勢いで
つい怒鳴ってしまった
顔を見るなりそんな風に言われたレイナは
シュンとした顔で俺に謝った
『……ぁ………ゴメン…なさい…』
「……」
俯いてしまった彼女を見て
胸がチクリと痛くなる
「……………いきなりデカい声出して悪かったよ………でも……女ひとりでこんな所に来たら危ねーの。……そん位分かるだろ?」
『……ウン…』
「……今日以外にも…来てたのかよ…」
『…………ここに来れば……また圭介に会えるかなって思って…何回か見に来た…………でも…ゴメン……もう来ないから…』
「……っ…」
言葉に詰まった俺に
レイナが『……バイクの修理…順調?』と聞く
「……んー……いくつか足りないパーツがあって…作業が止まっててよ………でも…知り合いに…色々譲ってくれるって人が見つかったんだ……今度もらいに行ってくる…」
『…そっか……良かったね…』
「……オゥ……………あー……あのよォ…」
『…?…』
「………連絡先…交換しよーぜ…」
『…ぇ…』
女相手に自分からそんな事を言ったのは初めてで
ものすごく照れ臭かった
「…こ、ここに来てぇ時は…まず俺に声掛けろ!……もう…絶対ひとりで来んなよ…」
『……ウン……分かった…』
レイナは嬉しそうに頷き
俺達は携帯番号とメアドを教え合った
登録画面を見ていた彼女が
『…" ケイスケ " って、どんな漢字なの?』と聞いてきた
「…土の上に土書いて〜……" スケ " は……なんかイカみたいなやつ」
『…?…イカ?』
「ホラ、あんだろ?…イカみてーな形した……こんなやつだよ」
俺がつま先で地面に " 介 " という漢字を書いてみせると
レイナは『あー、分かった』と言って
クスクス笑いながら名前を登録していた