第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
「…グチグチうっせーんだよ……もー諦めろ…」
「そうだ!…なぁ、昨日のこと謝るのはどーよ?…もしかしたらワンチャンあるかもしんねーじゃん⁇」
「……オマエなぁ…」
「…別にいいじゃねーかよ…場地はレイナちゃんのこと狙ってねーんだろ?……一晩一緒に過ごしといてなんもしねぇって……アノ子、よっぽどオマエのタイプじゃ無かったんだな」
「あ゛?そんなん一虎には関係ねぇだろーが」
「…だって……帰りたくないって言われて手出さねぇなんて男じゃねーだろ……見損なったぜ場地よぉ…」
「そーじゃなくて……アイツの場合…ホントに家に帰りたくないって感じだったんだよ…」
「……」
「…朝帰りしても…心配してくれるヤツが居ねぇって言ってた……そーゆーの…オマエも分かんだろ?」
「………まぁ……分かるけど………………て事は……その線から近づいてけば…レイナちゃんも閉ざした心、また開いてくれっかなぁ…?」
「……はぁ⁇」
「オレにもチャンスくれよ場地〜…レイナちゃんの連絡先教えろ〜」
「アイツの連絡先なんか知らねーよ。聞いてねぇ」
「はぁ⁇⁇マジで何やってんだよバカ」
「バカだぁ⁇オレよりテメーのがよっぽど大バカだろーが⁈」
一虎は散々グチグチ言った後、ひとりで勝手に立ち直り
「次こそ絶対ヤレる女ナンパしてやる!」と気合いを入れて帰っていった
「……ハァ………懲りねぇヤツ…」
静かになった部屋で
携帯を開く
「……」
レイナと連絡先を交換することなんて
あの時、考え付きもしなかった
単車に乗せてやると約束した事を思い出すと同時に
家に帰りたくないと言った時の、彼女の寂しげな顔が浮かんで
メアドくらいは聞いておけば良かったかも知れないと
少しだけ後悔した
けれど
何故か
彼女にはまた近いうちに会えるような気がして
俺は気持ちを切り替えるように
パチンと携帯を閉じた