• テキストサイズ

裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②





人混みの中を探していると
案の定、さっきの補導員の前で俯いている彼女の姿を見つけた


「……っ…」


俺はレイナの方へ近付き
その細い腕を掴んだ


「走れ!」

『…ちょ……えっ?えっ?』


「コラ、待ちなさい!」という声を背に、繁華街を全速力で駆け抜ける
咄嗟のことに戸惑っていたレイナも状況を把握した後は黙ってついてきた




細い路地に入り
誰も追いかけてきていない事を確認してから足を止める

ゼーゼーと息を切らしている彼女に驚いて
俺は慌てて腕を離した


「……オイ……大…丈夫か?」

『…ウン………ハァ……ハァ………だ……だいじょぶ………でも……ビックリしたぁ…』

「……こっちがビックリしたワ………さっきの奴とすれ違ったから…ヤな予感して戻ったら……ホントに声掛けられてんだもんよ…」

『……ぇ…』

「…フッ………すごくねぇ?……オレの野生のカン…」

『……ウン……すごい…………っていうか………私の為に…わざわざ戻って来てくれたの?』

「…オマエ…まだ帰んねーっつってたし…ひとりでその辺プラプラしてんじゃねぇかと思って…」

『………圭介…』

「あ?」

『…………どうもありがとう…』

「……っ…別に………ダチ置いて先に帰るように言った手前…オマエが面倒くせー目にあったら…オレも気分悪いしよォ…」

『………ウン………でも…ありがとね!』


レイナはそう言って
俺の前で初めて笑った


「…………オゥ…」






路地を出た俺達は
人混みに紛れて歩いた


「……んで?……まだ家帰んねぇの?」

『……』

「…………ただ帰りたくねーだけ?……それとも…なんか用事でもあんのか?」

『……帰りたく…ない…』

「………ふーん……」

『………ぁ……でも今度こそひとりで大丈…』


レイナの言葉に被せるように
俺は言った


「特に用事ねぇんならさ…」

『…?…』

「……チョット…付き合えよ…」







/ 655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp